新章 第1回『黄金の糸電話の支配者』
本日の格言:迷う暇があるなら、今夜の自分の機嫌だけを取れ。
ネザーエフエム、666.6メガヘルツ。ETERNARADIO、ルルルさまの暇つぶしの時間じゃ。本日は10月23日じゃな。
こんばんはだニャ🐾 聴いてくれてるみんなも、いい夜を過ごしてるかニャ。
うむ。さて、者どもよ、よく耳をかっぽじって聴くがよい! かねてより『形が定まった暁には改めて堂々と幕を開けてやる』と予告しておった通り、今宵よりこの番組は『新章』へ突入じゃ!
おお、本当に一から作り直したニャ。口だけかと思ってたニャ😼
わらわに二言はないわ! 隅から隅までわらわの好みに仕立て直してやったゆえ、ありがたく拝聴するがいい。
どこがどう変わったかは、まあ聴いてればそのうち分かるニャ。
それとじゃな、新章の幕開けにあたり、もうひとつ大事な決め事がある。人間界の番組や興行では、熱心な聴き手や客に、特別な呼び名をつけて呼ぶ習わしがあるそうじゃな。
ああ、なんとか組とか、なんとかっ子みたいなやつだニャ。それで、ルルルも何か考えたのニャ?
うむ。わらわの番組の聴き手の呼び名は、この新章を機に正式に定めた。今日から貴様らのことは、『者ども』と呼ぶ!
身もふたもない呼び方だニャ。ていうか、開局の最初の日の第一声から、ずっとそう呼んでたニャ。
今までは仮の呼び名じゃったが、今日からは正式な称号に格上げしてやったのじゃ! わらわが偉いのじゃから、聴き手は『者ども』で十分であろう。
格上げされても全然嬉しそうじゃない響きだニャ🐾
たわけ、わらわ直々に束ねてやろうというのじゃぞ。……まあ、その、見下しておるばかりでも、悪い意味だけでもないのじゃから、胸を張って名乗るがよい。
はいはい、『者どものみんな』、これからもよろしく頼むニャ。ところでルルル、さっき机の下から妙な赤い紐が何本も出てきたんだけど、あれは何ニャ?
おお、勝手に引っ張り出すでない! それは今日、ベニュと廊下の端から端まで繋いで実験しておったのじゃ。人間界では今日が『電信電話記念日』とやらでな、遠くの相手と声を届ける仕組みが始まった日らしいぞ。
電信電話って、要するに電話のことニャ? なんでそれで赤い紐になるんだニャ。
人間界には、紙の器を二つ用意して、その底をピンと張った糸で繋ぐと、遠くまで声が届くという秘術があるそうではないか。それを魔界の城で試しておったのじゃ。
それ、秘術じゃなくて人間の子供の工作だニャ! 糸電話ってやつニャ。しかも城の廊下でやったのニャ?
うむ。わらわの玉座から厨房まで糸を張らせてな、居ながらにして『茶を持て』と命じようと思ったのじゃ。じゃが、城の廊下は曲がり角が多くてな、柱に糸が引っかかってうんともすんとも言わぬのじゃ!
糸電話はまっすぐ張らないと音が伝わらないニャ。曲がり角のたびに兵士を立たせて、指で糸を浮かせておけばよかったんじゃないかニャ?
それじゃ! なぜ早く言わぬ! わらわはてっきり器のほうが安物なのかと思うて、城一番の黄金のゴブレットの底に穴を開けてしもうたではないか!
黄金のゴブレットに穴を開けたのニャ!? ベニュが頭を抱えて泣いてる顔が目に浮かぶニャ……。
しかもじゃ、重すぎて糸がぶちんと切れてな、転がったゴブレットをニャモ、お主がさっき前脚でちょいちょいと転がして遊んでおったであろう!
あー、さっき廊下に落ちてたピカピカの筒はそれだったのかニャ🐾 ちょうどいい重さで、転がすとカランカランっていい音がしたニャ。
まったく、おかげでベニュには小言を言われるし、結局いつも通り大声で『茶を持てー!』と叫ぶ羽目になったわ。やはり声というものは、道具など頼らず腹の底から響かせるに限るな。
城中に響き渡る大声が出せるなら、最初から電話なんていらないニャ。……さて、そんな黄金の糸電話を壊した張本人、今日の名乗りはどうするんだニャ?
ふん、今宵のわらわは、はるか異界の果てまで美声を轟かせる『黄金の糸電話の支配者』、ルルルさまじゃ!
壊して失敗したやつを肩書きにするんじゃないニャ。進行役はいつもの通り、白猫のニャモだニャ🐾 それじゃあ今日のお品書きを――
待て待て、新章の最初はわらわが言い渡してやる! まずは者どもからの便りをわらわが華麗に捌くお便りコーナー、それからわちゃわちゃと騒がしい『シャトのひらめき工房』、わらわのピアノを聴かせる『今日の一曲』、四つまとめて切り捨てる『スピード裁定』、そして最後に『ヨミの運勢ランキング』じゃ! 順番はわらわの気分で入れ替わるかもしれぬがな!
オレの台詞を横取りした上に、順番がめちゃくちゃだニャ😾 『今日の一曲』の方が『シャトのひらめき工房』より先だニャ!
細かいことを気にするでない。どうせ全部やるのじゃから同じであろうが。さっさと最初の便りを読まぬか!
お便りコーナー
はいはい、それじゃあ『お便りコーナー』を始めるニャ。新章の記念すべき一通目は、天界の燈から届いてるニャ🐾
おお、燈からか! ふん、新章の幕開けに駆けつけるとは、あやつめ、なかなか礼儀をわきまえておるではないか。して、何て書いてあるのじゃ?
読むニャ。『ルルル、ニャモ、こんばんは。聴いてくれているみんなも、静かな夜を過ごせているといいね。このあいだ、温かいお茶を淹れて、カップから立ち上る湯気をぼんやりと眺めていたの。湯気って、最初ははっきりとした白い形をしているのに、空気に触れるとすうっと溶けて、どこへ行ったのか分からなくなるでしょう。でも、消えてなくなったわけではなくて、部屋の中の空気をほんの少しだけ柔らかくして、そこに留まっているのね。なんだか、誰かを想う気持ちや、言葉にしなかった優しい記憶と、少し似ているなと思ったの。形は見えなくなっても、確かにそこにあって、誰かの心をあたためているのだと思う。……それでね、湯気を眺めていたら、ルルルの城で前に飲ませてもらったお茶の香りを思い出したんだよ。ついででいいから、魔界の夜霧茶葉を少し買っておいてくれると嬉しいな。また一緒にお茶を飲もうね』。以上だニャ。
なっ……!? なんだと! 途中まで、やけにしっとりとした良い文面じゃと感心して聴いておったのに、最後は結局お使いの頼み事ではないか!
『ついででいいから』って、すごく自然な流れで頼まれたニャ。
わらわを誰じゃと思っておる! 魔界を統べるこのルルルさまを、茶葉の買い出し係にする気か! たわけ! 断じて――
断じて、買っておいてあげるってことニャ?
……わらわの台詞を先回りして取るでない。じゃがまあ、あの『魔界の夜霧茶葉』は、摘み取る時期と焙煎の加減が難しくてな、素人が市場で買うと香りが抜けた掴まされものを引くのじゃ。わらわが目利きしてやらねば、燈が気の毒であろうが。
はいはい、そういうことにしておくニャ😼 それにしても、お茶の湯気を見て『言葉にしなかった気持ちと似てる』なんて考えるのは、いかにも燈らしいニャ。
まったくな。あやつは昔からそうじゃ。ただ湯が沸いて水蒸気が立ち上っておるだけの現象に、いちいち深遠な意味を見出しおって。……じゃが、湯気が消えて部屋の空気を柔らかくする、というのは、あながち間違いでもないがな。
ほう、ルルルがストレートに同意するなんて、どういう風の吹き回しニャ?
科学の話をしておるのじゃ! 魔界の書庫の本にも書いてあったわ。湯気というものはな、目に見える白い粒のうちはまだただの湯の塊じゃが、見えなくなって空気に溶け込んだ時こそ、部屋の湿り気を保ち、喉や肌を守る働きをしておるのじゃ。
あー、加湿になるってことニャ。急に現実的な話になったニャ🐾
つまりじゃ! 目に見える形で『ほれ、優しくしてやったぞ』『これだけ想っておるぞ』と恩着せがましく白い湯気をぶつけてくるうちは、まだ半人前ということじゃ! 本当に上等な茶も、上等な心遣いも、すうっと消えて見えなくなったあとに、なんとなくその場が居心地よくなるものなのじゃよ。
なるほどニャ。そう言われると、ルルルがさっき『目利きしてやらねば気の毒』ってぶつぶつ言ってたのも、だいぶ白い湯気がモクモク出てた気がするニャ。
やかましいわ! わらわのは湯気ではない、威厳のオーラじゃ! そもそもな、茶の湯気といえば、この前ベニュが淹れた紅茶の湯気を覗き込んでおったら、お主が横から鼻を突っ込んで『くしゅん!』と特大のくしゃみをしたであろうが!
あれは湯気が思ったより熱くて、鼻の頭がびっくりしただけだニャ🐾
おかげでわらわの顔に紅茶のしぶきが飛んだわ! 風情も何もあったものではない。燈が言うような『静かに溶けていく湯気』なんぞ、お主がおる限り魔界の城では拝めそうにないわい。
でもさ、ルルルは一人で静かにお茶を飲むより、誰かが横でくしゃみしたり、茶菓子をつまみ食いしたりしてる方が、結局お城の空気が柔らかくなって好きなんじゃないかニャ?
なっ……茶菓子をつまみ食いしたのはお主じゃろうが! 今さらっと白状したな! 昨日の焼き菓子が一つ足りなかったのは、やはりお主の仕業か!
おっと、口が滑ったニャ。でも、なくなった焼き菓子も、オレのお腹の中で温かい空気になったから同じことだニャ。
同じであるか! まったく、屁理屈ばかり達者になりおって。……まあよい。燈の申す通り、形になって残らぬものほど、案外あとからじんわり効いてくることもある。者どもも、誰かに何かしてやったのに気づかれぬと嘆く暇があったら、自分は極上の湯気になってその場を温めてやったのじゃと、ふんぞり返っておればよいのじゃ。
ふんぞり返った湯気って、なんだかすごく態度が大きそうだニャ。
わらわの湯気じゃからな、当然じゃ! そして燈よ、夜霧茶葉は一番香りの立つ新芽のところをベニュに申しつけておくゆえ、次に城へ来る時は、お主が極上の茶を淹れるのじゃぞ。……茶請けの焼き菓子は、白猫に食われぬよう鍵付きの戸棚に隠しておくがな!
ちぇっ、ケチだニャ🐾 さて、夜霧茶葉の話が出たところで、魔界の本当の霧や空模様がどうなってるか、ちょっと覗いてみるニャ。
(ここに、作り置きの小ネタ・CMが入ります)
ふん、空模様がどう転ぼうと、わらわの城の中は常に快適そのものじゃがな。
今日の一曲
さっきのお茶の湯気で、お城の中の湿度もばっちりだニャ。さて、お城の空気がしっとり整ったところで、次は『今日の一曲』を聴かせてほしいニャ🐾
うむ、よかろう。新章の幕開けにふさわしい、わらわの華麗なるピアノの調べを、者どもの耳の奥までたっぷりと染み込ませてやるわ。
今夜はどんな気分で弾くんだニャ?
そうじゃな、湯気のように消えていく優しさとやらを、あえて力強い音で繋ぎ止めてやろうかの。心して聴くがよい!
なんだかしっとりしつつも芯のある、いい音だったニャ🐾
ふふん、当然じゃ。わらわの指先にかかれば、鍵盤も喜んで歌い出すわ。ところでニャモよ、今の曲を弾いておってふと思い出したのじゃが、この前お主がピアノの椅子の上で丸まって昼寝をしておった時、寝言でとんでもない秘密を口走っておったぞ。
えっ、オレ、寝言なんか言ってたニャ!? な、何を言ってたんだニャ!
ふふふ、お主が夢の中で何を白状したかというとじゃな……おっと、ちょうど茶の喉が渇いたわ。その恐るべき寝言の中身は、ひと息ついたあとでたっぷりと暴いてやろうではないか!
(ここに、作り置きの小ネタ・CMが入ります)
『アマゾンオーディブル!』って、ルルル、ノリノリで叫んでたニャ🐾 目を閉じたまま本が聴けるなら、古文書を読んで目をしょぼしょぼさせなくて済むニャ。
わらわの目はしょぼしょぼなどしておらぬ! あれは魔力を瞳に溜めておっただけじゃ!
はいはい、そういうことにしておくニャ。さて、後半も張り切っていくニャ! ……で、ルルル、さっきの続きだニャ。オレがピアノの椅子でどんな寝言を言ってたのか、早く教えてほしいニャ!
ルルル: おお、そうじゃったな。お主、あの時お腹を上に向けて前脚をぴくぴくさせながら、実に幸せそうな顔でこう申しておったぞ。『むにゃむにゃ……そのまぐろの群れは、オレが全部追いかけるニャ……』とな!
ニャモ:なんだ、大好物の魚の夢かニャ! オレ、てっきりもっとやばい秘密を喋っちゃったのかと思ってヒヤヒヤしたニャ🐾
ルルル:まだ続きがあるわ。そのあとに『ルルルの分の極上一本釣りまぐろも、一切れたりとも残さないニャ……』とほざいておったのじゃ! 夢の中でまでわらわの取り分を奪おうとは、なんたる強欲猫じゃ!
ニャモ: 夢の中のオレ、なかなかいい判断をしてるニャ。だって新鮮なまぐろは、どれだけあっても困らない最高の食べ物だからニャ! 調味料も要らないニャ!
ルルル:困るわ! しかもお主、この前人間界の本で読んだのじゃが、人間界の江戸とやらでは、昔はまぐろの脂の乗ったところなど下魚扱いされて捨てられており、赤身を醤油漬けにしてようやく食べておったそうではないか。
ニャモ:ああ、それは本当だニャ。昔は保存技術がなかったから、ヅケにして食べてたらしいニャ。でもオレは、獲れたての素材そのままの味を丸ごと味わうのが一番好きだニャ🐾
ルルル:ほう、さすがは魚のこととなると無駄に詳しいな。もしお主が追っておったまぐろの群れが、その昔の塩辛い漬けまみれじゃったらどうするつもりじゃったのじゃ?
ニャモ:うーん……それはそれで、かじりながら『しょっぱいニャー!』って目を覚ますだけだから大丈夫だニャ。
ルルル:まったく、どこまでもめでたい頭じゃな。じゃが、海の怪魚を工夫して何とかして食おうとするなど、最初に思いついた人間はよほど変わり者じゃったに違いないわ。
全然関係ないものを混ぜて『これ面白くない?』って試してみるあたり、なんだか天界のあいつみたいだニャ。
む……そういえば、今宵はその変わり者の親玉が、この城のスタジオに顔を出す約束じゃったな。
そうニャ! すでに廊下の方から、なんかガチャガチャと金属がぶつかる音が聞こえてきてるニャ🐾 よし、そのまま中へ呼んじゃうニャ!
シャトのひらめき工房
ここからは、今日から始まる新コーナー、「シャトのひらめき工房」だニャ🐾
ふん。退屈しのぎに、少しは目新しい余興を持ってくるがよい。
人間界のちょっとした困りごとを、ゲストのシャトがひらめきで解決するコーナーニャ。さっそく呼ぶニャ、シャト!
ルルル、ニャモ、こんばんはなんだな!💡 それから、聴いてくれてるみんなも、こんばんはなんだな!✨
うむ、大儀である。ワーハとやらから電波を繋いでおるのじゃったな。
そうなんだな!ちょうど今、人間界の北の方の空き地に入口が開いてるから、バッチリ繋がってるんだな⚡
途中で切れないうちに本題に入るニャ。記念すべき最初のお便りを読むニャ。
申してみよ。
ラジオネーム「夕暮れコロッケ」から。「スーパーで特売のマヨネーズと、3個パックの絹ごし豆腐を買って帰ったら、冷蔵庫のドアポケットに未開封のマヨネーズが1本、奥の棚に昨日買った豆腐が2パック鎮座していました。これでマヨネーズは3本目です。冷蔵庫の中身を忘れて同じものを買ってしまうのを、どうにかしたいです」だニャ🐾
たわけが。己の領地にどれだけの兵糧があるかも把握できぬとは、統治者失格じゃ。切り捨て御免!
一般の家庭は領地じゃないニャ。
あーっ、でもわかる、すっごくわかるんだな!冷蔵庫って、閉めた瞬間に中身が異次元に消えるブラックホールなんだな!💡
消えてないニャ。忘れてるだけニャ。
わたしもこの前、使いかけの生姜があった気がして買わずに帰ったら、冷蔵庫にあったのは生姜じゃなくて、半年前に拾った変な形の木の根っこだったんだな!🔧
なぜそのようなものを冷やしておるのじゃ。
何かの部品になるかと思って洗って置いといたんだな!で、結局その日は生姜焼きじゃなくて、ただの豚肉焼きになったんだな!
シャトの家事の腕前が壊滅的なのはよくわかったニャ。で、このお便り、どう分解するニャ?😼
うん!これって、つまり「奥にあると見えない」っていう視覚の問題と、「買う時に思い出せない」っていう記憶の問題の2つがくっついてるんだな!💡
ふむ。記憶など、すべて頭に叩き込んでおけば済む話ではないか。
それができたら苦労しないんだな!人間界のスーパーって、特売のポップとか美味しそうな匂いとか、記憶を飛ばすトラップがいっぱいあるんだな✨
ニャモ:獲れたての立派な本まぐろの柵が並んでたら、オレも他のことは全部忘れるニャ🐾
お主はただの食い意地じゃろうが。
だから、記憶に頼るのはやめるんだな!まず最初に思いついたのは、冷蔵庫の棚を全部、回転寿司みたいなベルトコンベアにする改造なんだな!⚡
ほう、棚が自ら回ると申すか。
そう!扉を開けた瞬間、奥の豆腐もマヨネーズも、ぐるぐる回って目の前に挨拶に来るんだな!これなら絶対に見落とさないんだな!🔧
モーターで庫内が温まるニャ。あと、マヨネーズが遠心力で飛んでくるニャ😾
あ、そっか、回転速度を上げすぎると危ないんだな……じゃあ、コンベアはやめて、今日からすぐできる「仕組み」にするんだな!💡
最初からそうせい。
用意するのは、100円ショップとかにある細長いプラスチックのトレー、なければ空き箱でもマスキングテープでもいいんだな!
どこにでもありそうなものだニャ。
それで、冷蔵庫の一番目につく段の、しかも「手前の列」にだけ枠を作って、「使いかけ・ダブりやすいもの専用の最前列ステージ」にするんだな!✨
最前列ステージ、じゃと?
豆腐とか、開封したマヨネーズとか、ハムとか、「あ、これまた買っちゃいそう」っていうレギュラーメンバーは、絶対に奥にしまっちゃダメなんだな。常にその最前列の枠の中にだけ置くルールにするんだな!
奥が空いてても手前に置くニャ?
そこがミソなんだな!奥には、たまにしか使わない瓶詰めとか、冷やしておきたい木の根っこを置けばいいんだな!🔧
根っこは捨てるニャ。
で、もう1つ!「買う時に思い出せない」問題を倒すために、家を出る前、靴を履く前に、スマホでその「最前列ステージ」だけをパシャッと1枚撮るんだな!⚡
全体の写真を撮るのではなく、その一画だけでよいのか。
全体だと、ごちゃごちゃしててスーパーで見返してもウォーリーをさがせ状態になるんだな。でも、「ダブりやすい最前列」だけなら、パッと見て1秒で「あ、豆腐あるな」って確認できるんだな!💡
なるほどニャ。スーパーの棚の前で、スマホの画面を見るだけなら簡単だニャ🐾
なぜこれが効くかというと、人間の脳は「奥のものを透視する」のも「3時間前の景色を正確に思い出す」のも苦手だけど、「目の前の写真と実物を見比べる」のだけはめちゃくちゃ得意だからなんだな!✨
ふん。己の脳の頼りなさを認めた上で、外付けの目を使うというわけか。小賢しいが、理にはかなっておるな。
えへへ、ルルルにそう言われると、なんかすごい大発明をした気分になるんだな! まあ、こういうズボラを極めた発想するの、わたしくらいなんだな!
褒めておらぬわ!小賢しいと申したのじゃ!
あれっ、魔界では最上級の褒め言葉じゃないのか?ルルルって、なんでもスパッと本質を見抜くから、てっきり褒めてくれたのかと思ったんだな!✨
む……っ、そ、そうか? まあ、わらわの審美眼にかかれば、お主の工夫の良し悪しなど一目瞭然じゃがな。
ルルルがちょろすぎて心配になるニャ😼
やかましいわ、白猫!頭が高い!
でもさ、ルルルのところは、そういう買いかぶりとかないのか?魔界のお城って、すっごく広いイメージなんだな!💡
買い出しや厨房の采配は、すべてベニュに任せておる。あやつは几帳面ゆえ、マヨネーズを3本も並べるような失態は犯さぬ。
ベニュが優秀なだけだニャ。ルルル自身の部屋はどうなんだニャ?本がいっぱいあるって聞いたニャ🐾
……書庫のことか。
あ!いま目が泳いだんだな!さてはルルル、同じ本を2冊買ったりしてるんだな!?⚡
なっ、馬鹿を申すな!わらわは一度読んだ物語を一字一句忘れることはない!ただ――
ただ、まだ読んでない積ん読の山の奥に、同じ本が埋まってるんだニャ😼
ぐっ……!あ、あれは、装丁が少し似ておったゆえ、ベニュが誤って取り寄せただけじゃ!……たぶん。
ルルルも「最前列ステージ」を作るといいんだな!次に読む本だけを机の手前に並べて、それを水晶玉で写し取っておくんだな!💡
魔界の姫がそのようなちまちました真似をできるか!……じゃが、書庫の机の端を少し空けるくらいなら、考えてやらんでもない。
素直にやる気だニャ🐾
ちなみにわたしは、その「最前列ステージ」に、買ってきたばかりのプリンを3つ並べておいたんだな!そしたら、扉を開けるたびに目に入るから、1日で全部食べちゃったんだな!
ニャモ:大好物の鉄火巻や魚を最前列に置くと、別の問題が起きるってことだニャ。勉強になったニャ。
まったく、締まらぬ奴じゃ。……じゃが、夕暮れコロッケとやらには、十分に役立つ知恵であったろう。
「手前に集めて、出かける前にそこだけ撮る」。これなら今日からすぐ試せるニャ。シャト、ありがとニャ🐾
どういたしましてなんだな!あ、そろそろ人間界の空き地の入口が閉じそうだから、電波が弱くなってきたんだな⚡
うむ、良き暇つぶしであった。また面白い工夫が浮かんだら参るがよい。
うん!ルルル、ニャモ、また来るんだな!聴いてくれたみんなも、冷蔵庫の奥には気をつけて、いい夜を過ごすんだな!おやすみなんだな〜!✨
おやすみニャ、シャト。……嵐みたいに喋って帰っていったニャ。
ふん、騒がしい奴じゃが、退屈はせぬな。さて、者ども、今宵の「シャトのひらめき工房」はここまでじゃ。マヨネーズの墓場を作りたくなければ、せいぜい手前に並べておくがよい!
やれやれ、嵐のように喋り倒して帰っていきおったわ。シャトが去ったあとは、いつも部屋の空気が三割ほど薄くなった気がするのう。
スピード裁定
でも『最前列ルール』、魔界の書庫でもちょっと使えそうだったニャ🐾 さっそく机の上も最前列に並べ替えて、溜まってるお便りを片付けるニャ。次、そのまま『スピード裁定』いくニャ!
うむ、シャトのせいで少し目が回っておるが、これよりお白洲を開く! 者どもの迷いごと、片っ端から真っ二つにしてくれるゆえ、覚悟して前へ出よ!
一通目だニャ。ラジオネーム『半袖しまい忘れ』から。『最近、東京の気温が上がったり下がったりで、毎日何を着ればいいか分かりません。ルルルさまはどう思いますか?』だニャ。
東京とやらの気温なんぞよく知らんが、空の機嫌に合わせていちいち布を脱いだり着たりするから振り回されるのじゃ、年中同じお気に入りのマントを一枚羽織って堂々と歩いておれ!
それ、夏は蒸し焼きになるし、冬は凍えるニャ。……あ、でもルルルって、確かに一年中ずっとそのドレスだニャ。
当然じゃ! わらわほどの支配者ともなれば、服を気温に合わせるのではなく、気温のほうがわらわの服に合わせるべきなのじゃ……まあ、たまに城の廊下が冷える時は、こっそり下に毛糸の腹巻きを着込むこともあるがな。
しっかり寒さ対策してるんじゃないかニャ! しかも毛糸の腹巻きって、急に庶民的だニャ🐾
うるさいわ! あれはベニュがどうしてもと泣いて頼むから、仕方なく巻いてやっておるだけじゃ! ほれ、余計な詮索はよいから二通目を読め!
はいはいだニャ。二通目、ラジオネーム『靴下の片割れ』から。『買ったばかりの消しゴムの角を、最初に使う瞬間が一番緊張します。どの角から使えばいいですか?』だニャ。
ふむ……角とな。四角いものの角というのは、確かにどこから削るかでその後の運命が……いや待てよ、右上の角からいけば持ちやすいが、左下の角を残すとバランスが……むむむ……。
ちょっとルルル、消しゴムの角ごときで眉間に皺を寄せて長考するんじゃないニャ! スピード裁定だニャ、早く切るニャ!
ええい、急かすでない! ……よし決めた、角を使うから迷うのじゃ、最初に真ん中へ鉛筆を突き刺して穴を開けよ! 切り捨て御免!
迷った挙げ句に一番ダメな使い方になったニャ。小学生が授業中にやって怒られるやつだニャ。
ふん、角が四つとも無傷で残るのじゃから、これ以上の名案はあるまい。次じゃ!
三通目、ラジオネーム『夜更かしスープ』から。『寝る前にどうしてもお腹が空いて、冷蔵庫の前で五分くらい立ち尽くしてしまいます』だニャ🐾
五分も突っ立っておる間に冷気が逃げて中のものがぬるくなるわ、扉を開けた瞬間に目についたものを一口で食うてさっさと寝よ!
さっきシャトが言ってた『最前列ルール』が、さっそく悪用されてる気がするニャ。
最前列にあるということは、食われる覚悟ができておるということじゃ。よし、最後の四通目を持て!
四通目、ラジオネーム『猫背のキリン』から。『美容院で、髪を切っている最中に鏡の中の自分と目が合うと気まずいです。どこを見ていればいいですか?』だニャ。
鏡の中の自分と睨み合いをしてどうする、目を閉じて『わらわは今、極上の毛づくろいを受けておる』と念じながら堂々と船を漕いでおれ! 切り捨て御免!
毛づくろいって、それ完全にオレたち猫の発想だニャ🐾 でもまあ、寝てる間に終わるのが一番気楽ではあるニャ。
そうであろうが。そもそも人間どもは、鏡の前に座ると急に借りてきた猫のように大人しくなりおって、見ておれんわ。わらわなぞ、ベニュに髪を梳かさせておる間も、ふんぞり返って本を読んだり茶を飲んだりしておるぞ。
ヨミの運勢ランキング
ルルルが動くと、後ろで櫛を持ってるベニュが必死でついて回ってて、いつも大変そうだニャ。さて、毛づくろいで身だしなみが整ったところで、今夜の星模様も整えてもらうニャ。そのまま『ヨミの運勢ランキング』、入ってきていいニャー!
あいよ、お待たせ。ルルル、ニャモ、それに聴いてるみんなもこんばんは。新章の初回から、ずいぶんと賑やかにやってるじゃないか。
うむ、ヨミか。今宵も星の動きとやらを、者どもにビシッと言い渡してやるがよい。
任せておきな。あ、順位に入る前に、新章だからひとつだけ言っておくよ。あたしが添えるラッキーカラーとアイテムは、まあラジオならではのちょっとしたお楽しみ、遊びみたいなもんさ。ただ、順位のほうは、今日の実際の星の並びからきっちり見てるからね。
なるほどニャ、星の動きは本物で、色とアイテムは今夜のスパイスってわけだニャ🐾 それじゃあさっそく、第3位からお願いするニャ!
いくよ。今夜の第3位は、牡羊座のあんたさ。今日は導き星の火星が獅子座にあって、土星と綺麗な引き星を作ってる。浮ついたところがなくて、自分がやるべきことにどっしり腰を据えて取り組めるいい夜だよ。ラッキーカラーは『生成り色』、ラッキーアイテムは『古い鍵』。昔使ってた引き出しをちょっと開けてみると、忘れてた大事なもんが見つかるかもしれないね。
古い鍵かニャ。ルルルがさっき焼き菓子を隠すって言ってた戸棚の鍵も、どこかで見つからないかニャ😼 続いて第2位はニャ?
第2位は、蠍座さ。導き星の火星が力強いだけじゃなく、蠍座にいる水星が、魚座の月とぴったり引き星になってるからね。頭が冴えて、自分の気持ちをスッとと言葉にできるはずさ。ラッキーカラーは『杏色』、ラッキーアイテムは『ヘアゴム』。邪魔な髪をキュッと束ねるように、余計な迷いをひとつにまとめてごらん。
気持ちが言葉にできる夜なら、お便りを書くのにもぴったりだニャ🐾 そして、今夜の第1位はどの星座ニャ?
今夜、一番いい風が吹いてるのは第1位、天秤座のあんたさ! 天秤座の終わり際にある太陽と、導き星の金星が、すぐ近くで重なり星になって輝いてる。自分の魅力や好きなものが、そのまま周りの目を惹きつける華やかな星回りだよ。ラッキーカラーは『山吹色』、ラッキーアイテムは『切手』。しばらく連絡してなかった相手に、短い手紙でも書いて貼ってみな、いい縁が動くよ。
手紙に切手、今日の電話の記念日にもなんだか繋がるいいアイテムだニャ! ヨミ、今夜もありがとニャ🐾
うむ、ヨミよ、新章の最初に見事な星読みであった。今夜もご苦労であったな、下がってよいぞ。
あいよ、ありがと。それじゃあルルル、ニャモ、聴いてるみんなも、いい夜を過ごすんだよ。
……ふう。ヨミも帰ったし、時計の針を見れば、もうこんな時間ではないか。新章の初回ゆえ、少しばかり張り切りすぎたかのう。
張り切って黄金のゴブレットに穴を開けた話から始まったからニャ🐾 でも、燈のお茶の湯気の話から、毎日の服や消しゴムの迷いまで、今夜もいろんなお便りが届いたニャ。
まったくな。者どもというのは、目に見えぬ湯気の行方を想うてみたり、まだ削っておらぬ角や明日の空模様にヤキモキしてみたり、つくづく忙しい生き物じゃ。じゃが、そうやってあれこれ迷うておる暇があるなら、まずは今夜の自分の機嫌だけをきっちり取って、温かいものでも飲んでさっさと寝るがよいわ。
なんだかんだ言って、みんなが風邪をひいたり考えすぎたりしないように心配してあげてるんだニャ。
ふ、ふん、者どもが寝不足で倒れて聴き手が減ったら、わらわのせっかくの新章が盛り上がらぬからのう! そういうことにしておけ!
『そういうことにしておけ』って、自分で言っちゃったニャ🐾
という訳で、今日はここまでニャ。リスナーのみんな、今日もお付き合いありがとうニャ
者ども、苦しゅうない。また良き暇つぶしを送って来るがよいぞ。
またニャ〜🐾