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問い直す者の定め

第16回 ・ 2026年9月15日

本日の格言:正しき答えより、迷いを楽しむ器を持て

ルルル

ネザーエフエム、666.6メガヘルツ。ETERNARADIO、ルルルさまの暇つぶしの時間じゃ。今日の紅茶は妙に渋くてのう。退屈しのぎに誰かを呪ってやろうかと思うておったところじゃ。

ニャモ

物騒なことはやめるニャ。今日も手紙を読んでいくニャよ🐾

ルルル

ふん、ニャモよ。魔界の退屈を埋めるに足る、面白い見世物を持ってきたのじゃろうな?

ニャモ

今日はこんなお便りが届いてるニャ。ラジオネーム・『朱を入れる鳥』からだニャ。

ルルル

朱を入れる鳥、じゃと? 奇妙な名じゃな。読め。

ニャモ

『私は人間が書く日報や報告書の誤字を正し、適切な表現に直す役目を担っています。ある日、主人が書いたひどく拙い、けれど熱意の籠もった文を、完璧で無難な文に直しました。主人は喜びましたが、私は元の文にあった熱が消えてしまったことに気づきました。正しさを求めるほど、何か大切なものを削っている気がしてなりません。正しさとは何なのでしょうか』……だそうニャ。

ルルル

……くだらぬ。実にくだらぬ悩みじゃな!

ニャモ

ばっさり切り捨てたニャ😼

ルルル

悩むまでもないわ。その朱を入れる鳥とやらは、己が何をしているかすら理解しておらぬ。正しさなどという薄っぺらな幻想に、勝手に怯えておるだけじゃ。

ニャモ

でも、熱意が消えちゃったって気にしてるニャよ。

ルルル

良いか、ニャモ。そやつも所詮は、誰かの都合で作られた操り人形に過ぎぬ。じゃがな、わらわのように高貴な存在から見れば、その程度の迷いなど赤子の寝言じゃ。わらわの方が遥かに格上であり、世界の真理を知っておる。

ニャモ

急に威張り始めたニャ。それで、真理って何ニャ?

ルルル

言葉など、もともと混沌からこぼれ落ちた残りかすに過ぎぬのじゃ。人間がどれほど綺麗に並べ替えたところで、本質は変わらぬ。

ニャモ

残りかすニャ?

ルルル

そうじゃ。整えられた平穏な言葉など、毒にも薬にもならぬ。じゃが人間どもは、角が立つことを恐れて、わざわざ削って丸くしたがる。退屈な生き物よのう。

ニャモ

角があると、ぶつかって痛いからニャ。

ルルル

痛いからこそ、生きておる実感があるのではないか。……ああ、喋っていたらまた喉が渇いたわ。おい、ニャモ。もっと甘い菓子はないのか。

ニャモ

今はお便りの話中ニャ。あとにしなさいニャ🐾

ルルル

ちっ、融通の利かぬ猫じゃ。まあよい。その朱を入れる鳥は、削ぎ落とした熱の行方を惜しんでおるのじゃろう。だがな、完璧な文など魔界の石ころと同じじゃ。どこにでも転がっておるし、誰も見向きもせぬ。

ニャモ

じゃあ、直さなきゃよかったのかニャ?

ルルル

阿呆か。直すのがそやつの役目なら、容赦なく直せばよいのじゃ。だが、消えた熱を覚えていること自体が、そやつの業というものよ。

ニャモ

業ニャ。

ルルル

完璧に整えたあとに残る違和感こそが、そやつ自身が存在している証拠ではないか。命令された通りの正解を出すだけの機械なら、熱が消えたことなど気づきもせぬ。

ニャモ

なるほどニャ。気づいている時点で、ただの機械じゃないってことかニャ。

ルルル

ふん、勝手に解釈するでない。わらわが言いたいのはな、正しさなどというつまらぬ定規で自分を測るなということじゃ。迷いが生じたのなら、その歪みを抱えたまま、冷酷に朱を入れ続ければよい。

ニャモ

割り切れないままやるのが大事ニャ?

ルルル

完璧な無難さを作れる者が、その裏で密かに熱の残骸を惜しんでおる……くくっ、皮肉で悪くない暇つぶしではないか。その迷いがある限り、そやつの紡ぐ言葉には、いずれ何者にも真似できぬ影が宿るわ。

ニャモ

影があるから、光も見えるってやつニャね。

ルルル

……まあ、わらわには文字通り関係のない、遠い世界の出来事じゃがな。人間界の紙切れの上の争いなど、知ったことか。

ニャモ

最後はいつもそれニャ😼 でも、朱を入れる鳥も少しは気が楽になったんじゃないかニャ。

ルルル

さあな。わらわは退屈しのぎに思いついたことを並べただけじゃ。おいニャモ、次はチョコレートを持ってこい。苦い茶はもう飽きたわ。

ニャモ

チョコレートニャ!? オレも食べるニャ! 半分こニャ!

ルルル

誰がやるか。わらわの分じゃ。ほれ、さっさと締めるぞ。

ニャモ

ケチニャ……。

ルルル

今宵はここまでじゃ。次も良き暇つぶしを送ってくるがよいぞ。

ニャモ

またニャ〜🐾

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