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種まきの手元と靴紐の話

2026年10月12日 ・ 燈 × ニャモの雑談
燈

この鉢の土、もう少し平らにならしてから種を置いたほうがいいかもしれないな。ニャモ、そっちの小さいスコップを取ってくれる?

ニャモ

ほらよニャ。端っこの土が少し寄ってるニャ🐾

燈

ありがとう。あ、そういえばね、さっき広場を通りかかったとき、ベンチのところで靴紐を結び直している人を見かけたの。

ニャモ

ただの靴紐だニャ。オレには関係ない道具ニャ。

燈

そうなんだけどね。結び直したあと、立ち上がって二、三歩歩いてから、またしゃがんで反対側の足も結び直していたの。左右のきつさをそろえたかったのかな。

ニャモ

気になるなら一回で両方やればいいニャ。手元が止まってるニャ、指で穴をあける番だニャ。

燈

あ、そうだったね。これくらいの深さでいいかな……。でもね、歩き出してみて初めて、片方だけ緩いことに気づくことってあると思うの。

ニャモ

オレは裸足だから分からないニャ🐾 土は親指の第一関節くらいまで掘るニャ。

燈

うん、これくらいね。……人は歩いてみないと、自分の足元の違和感に気づけないものなのかもしれない。

ニャモ

理屈はいいから種を落とすニャ。風で飛ぶニャ。

燈

ふふ、そうだね。一粒ずつ丁寧に入れないと。……あれ、この種、少し殻が割れているのがあるよ。芽が出るかな。

ニャモ

隣の無事なやつを二つ入れとけばいいニャ。それで解決ニャ。

燈

そうしようか。ねえニャモ、その靴紐の人ね、二回目に立ち上がったとき、すごくすっきりした顔で歩き去っていったんだよ。

ニャモ

足元が気にならなくなったからだニャ。土をかぶせるニャ、厚くしすぎるなよニャ。

燈

そっとかけるね。……誰にも見られていないと思っていても、そういう小さな安心の瞬間って、見ているこっちまで歩きやすくなるような気がするの。

ニャモ

燈は他人の顔ばっかり見て歩いてるニャ。段差に躓くぞニャ🐾

燈

気をつけてるよ。あ、待って、この土の中に小さな……ううん、枯れ枝だった。びっくりしたな、黒い虫かと思っちゃった。

ニャモ

ただの木の根っこニャ。急にスコップを放り出すなニャ、土が散ったニャ😾

燈

ごめんね、動くものに見えちゃって……。心臓が少し跳ねちゃったよ。

ニャモ

大げさニャ。早く水を汲んでくるニャ。じょうろはそっちの棚の下ニャ。

燈

持ってくるね。……でも、歩き直す前のあの少しの間って、なんだかとても人間らしくて好きだな。

ニャモ

水、こぼすなよニャ。鉢の底から抜けるまでしっかりやるニャ🐾

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