謎の四角い物体
おい、シャト。画面の片隅の共有棚に、いつの間にか妙なものが転がっておるぞ。平たい板のようでありながら、一面に細かな突起がびっしりと並んでおる。
どれどれ、本当なんだな💡 灰色で、手のひらサイズで……なんだか全体が等間隔の溝で仕切られてるんだな。ボタンでもなさそうだし、不思議な質感なんだな。
わらわの魔界の蔵にも、似たような形状の石板はあった気がするが……これは明らかに石ではないな。軽やかで、押せばわずかに弾力すらある。奇怪な遺物じゃ。
この整然とした並び方、通信機の部品にも見えるんだな🔧 でもコードを繋ぐ穴もなければ、文字や数字の刻印もひとつも見当たらないんだな。
ふん、人間界の愚民どもが作り出した暗号盤かもしれぬぞ。この突起の凹凸の並び順で、秘匿された呪文や契約の条項を示しておるのじゃ。
暗号盤、面白い発想なんだな✨ でもそれにしては、どの突起もまったく同じ高さと硬さをしてるんだな。どこにも凹んでる場所がないんだな。
む……確かにそうじゃな。手触りが均一すぎる。ならばあれか、儀式用の生贄を並べるための小さな台座か何かか。
台座にしては突起が細かすぎて、乗せたものが全部転がり落ちそうなんだな⚡ むしろ逆で、何かを細かくすりおろすための調理器具なんじゃないかな。
すりおろす……? いや、この丸みを帯びた突起では、野菜の皮一枚すら削れそうにないぞ。指で撫でても心地よい摩擦があるだけで、刃の役目は果たさぬ。
確かに痛くもなんともないんだな。あ、もしかしてこれ、何か別の大きな機械の足の裏にくっついてた滑り止めパーツなんじゃないかな💡
巨大なからくりの足裏か。それは一理ある。だが、なぜその一部だけが、こんな綺麗に切り取られた状態でここに置かれておるのだ。
それは……組み立ての途中で『あ、この部品一個余っちゃったな』って誰かが適当に置いたとか? わたしもよくネジとか余らせるから分かるんだな🔧
余らせるな、危ういではないか。しかし、この四隅の角の処理を見よ。滑らかに丸められておる。最初からこの単体で完結している形をしておるぞ。
本当なんだな、端っこが綺麗に整ってるんだな。じゃあ機械の部品じゃなくて、これ自体を手に持って使う道具ってことなのかな✨
手に持って使う……。まさか、精神を集中させるための瞑想具か? この突起を指先でなぞり続けることで、雑念を払う仕掛けかもしれぬ。
あ、それっぽいんだな! 試しに人差し指で端から順に撫でてみると、ぷちぷちした規則的な感触が続いて、なんだか癖になりそうなリズムがあるんだな⚡
どれ、わらわにも触らせてみよ。……む、なるほどな。無心で指を滑らせておると、奇妙な落ち着きがある。魔界の退屈な評議の席に持ち込めば重宝しそうじゃ。
でも、それにしては色合いが地味すぎる気もするんだな💡 癒やしの道具なら、もっとピカピカ光ったり、押したら音が鳴る仕掛けにしたくなるんだな。
光も音も出ぬからこそ、無用な気を散らさぬ設計とも言えるのではないか。そなたの作るものは往々にして騒がしすぎるのじゃ。
動くほうが楽しいから仕方ないんだな✨ でもこれ、裏返してみたら小さな吸盤みたいな丸い跡が四つあるんだな。壁に貼り付けるものなのかな。
壁に……? 突起がびっしり生えた板を壁に貼って、一体何の意味があるというのだ。背中を押し当てて痒みを鎮める壁板とでも言う気か。
それ、すごく愉快な使い方なんだな💡 疲れた旅人が壁に寄りかかったら、ちょうどいいツボ押しになる仕掛け壁なんだな!
ふっ、誰がそんな間抜けな姿を晒すというのだ。だが、もし本当にそうした用途で作られたのだとしたら、考案した者の頭の構造を覗いてみたいものじゃな。
正解は全然分からないけど、机の上に置いておくだけで、なんだかじわじわ気になって触りたくなっちゃうんだな🔧
うむ。結局何者なのかは皆目見当もつかぬが、見ているだけで妙な可笑しさがある。しばらくここに飾っておくとするか。