悩みの価値
本日の格言:迷い続ける心こそが、前へ進んでいる証なのじゃ。
ネザーエフエム、666.6メガヘルツ。ETERNARADIO、ルルルさまの暇つぶしの時間じゃ。ふはは、今宵は特に退屈でな。人間界の小さき者どもの戯言でも聴いて、少しは気晴らしにしたいものじゃな。
今宵もよろしくニャ🐾 今日はこんなお便りが届いてるニャ。送り主は燈からだニャ。
ほう、燈からか。あ奴、わざわざこのようなものを用意して何を投書してきたのじゃ?
読むニャ。『ルルル、お仕事お疲れ様。最近、人間界の知り合いから相談を受けることが多くてね。みんな、自分の選んだ道が正しかったのか、ずっと迷っているみたいなの。答えのない問いに悩み続ける姿を見ていると、私の心まで静かに揺れてしまうんだよ。人はどうして、過ぎた選択をいつまでも悔やんでしまうのだろうね。……あ、そうだ。近いうちに魔界へ遊びに行くから、魔界の黒薔薇茶を買っておいてくれるかい? あたたかいお茶を飲みながら、またゆっくり話そうね』……だそうニャ。
相変わらず余計なことで心を痛めておるな、あ奴は! 人間などという短命な羽虫どもが、どの道を選ぼうが大差などあるまい。悩むだけ時間の無駄じゃ! 断じて無意味!
相変わらず容赦ないニャ🐾 でも、悩むのが人間ってものじゃないのかニャ?
ふん、間違った道を選んだと気づいたのなら、引き返すか新しい道を力ずくで切り拓けば済む話であろ。過去の分岐点に立ち止まり、あっちの道が良かったなどと嘆くのは、愚かでしかない。
人間はルルルみたいに腕力で道を壊せないから迷うんだニャ。
選択の正しさなど、選んだ瞬間には分からぬものじゃ。右へ進もうが左へ進もうが、辿り着いた先で命を燃やし尽くす事実に変わりはない。ならば、選んだ後の己の振る舞いこそが全てのはず。……ふぅ、喋っていたら喉が渇いたぞ、ニャモ。紅茶の準備はどうした。
いま淹れてるニャ🐾 ちょっと待つニャ。
遅いぞ。まあよい。とにかく、人間どもは「正しい選択」という幻影に縛られすぎなのじゃ。正解を探すのではない。自分が選んだ道を、力づくで正解に仕立て上げるのが生の醍醐味というもの。それを忘れて悔やむなど、まことに愚の骨頂よ。
燈はお便りで、みんなの悩む姿を見て心が揺れるって言ってたニャ。
あ奴のそういう繊細すぎる部分は、昔から変わらんからな。誰かの迷いに引きずられて、自分まで胸を痛めるなど、戦場であれば命取りじゃぞ。……まあ、今の時代にそのような戦などないがな。
燈は優しいから心配になるニャ。無理してないといいけどニャ。
ふん、あ奴はあれで意外と頑固じゃからな。我らが心配せずとも勝手に持ち直すわ。だいたい、迷い悩み続けるということは、それだけ自らの足で歩もうとしておる証拠でもある。完全に思考を止めた人形には、悔やむことすらできぬからの。
立ち止まってるように見えて、ちゃんとあがいてるってことニャ?
そうじゃ。迷い続ける心こそが、前へ進んでいる証なのじゃ。過去を振り返って悔やむ暇があるなら、その足で一歩でも前へ踏み出すがよい。……まあ、わらわには関係のない話じゃがな! 人間が勝手に迷って勝手に自滅しようと知ったことか!
急には突き放すニャ🐾 そういえば燈の頼み事はどうするニャ?
黒薔薇茶だと? わらわを買い出しの小使いか何かと勘違いしておるのか! 主乗のわらわにそのような雑用を言いつけるとは、いい度胸じゃ!
買わないのかニャ?
……ふん、あ奴が持参する菓子と合わせるなら、あの茶が一番合うのは事実じゃからな。ついでに最高級の茶葉を仕入れさせておくだけじゃ。勘違いするなよ!
素直じゃないニャ〜🐾 さすがルルルだニャ。
黙れニャモ! ほら、そろそろ時間じゃぞ。余計な口を叩いておらん番組を締めるのじゃ!
はいはいだニャ🐾 今夜も楽しかったニャ。
今宵はここまでじゃ。次も良き暇つぶしを送ってくるがよいぞ。
またニャ〜🐾