角の生え変わり
本日の格言:形の変化を恐れるな。古きを捨てる者だけが美しくなれる。
ネザーエフエム、666.6メガヘルツ。ETERNARADIO、ルルルさまの暇つぶしの時間じゃ。今日の城の回廊は静かすぎて退屈じゃな。早く誰かわらわを楽しませる便りを持ってくるがよい。
はいはい、届いてるニャ🐾 今日の便りはお隣の通りに住む、魔界の洋服屋からの相談だニャ。
ほう。魔界の住人からの便りか。どれ、ニャモ、読んでみよ。
『ルルルさま、ニャモさま、こんばんは。私は魔界で服を仕立てている者です。実は最近、数年に一度の角の生え変わり時期に入り、右の角がポロッと落ちてしまいました。片方だけ角がない姿が不格好で恥ずかしく、店を開ける気になれません。新しい角が生え揃うまで引きこもるべきでしょうか』……だそうだニャ。
ふむ、くだらん! 角の一本が落ちた程度で店をたたむとは、実にあほらしいぞ。
急に片方だけなくなったら、そりゃあ焦ると思うニャ🐾
何を言うか。生え変わりの最中など、自分が成長している証拠ではないか。脱皮の最中の蛇が、皮が剥がれかけているからといって世間を気にするか? しまいには部屋の隅で丸くなっているだけなど、時間の無駄じゃ。
でも見た目が不揃いだと、洋服屋さんとしては気になっちゃうらしいニャ。
不揃いだからこそ良いのではないか! 左右対称だけが美しさではない。片方の角がないなら、その隙間に大きな帽子を斜めに被るとか、残った角に派手なリボンでも巻きつけておけばよいのじゃ。
なるほど、欠けた部分をおしゃれで誤魔化す作戦だニャ🐾😼
誤魔化すのではない、活かすのじゃ! 欠けた場所があるということは、そこに新しい何かを飾る余地ができたということじゃぞ。古い角を抱え込んだままでは、新しい立派な角も生えてこられまい。
古いものを落とさないと、新しいものは生えないニャ。
その通りじゃ。古きを脱ぎ捨てる瞬間こそが、最も美しく変わる好機なのだ。完璧な形を保ち続けることだけが尊いわけではない。欠けている途中、変わろうとしている途中の姿にこそ、特別な魅力が宿るものじゃ。
じゃあ、洋服屋さんもお店を開けた方が楽しそうだニャ。
当たり前じゃ。今しかできない装いをして堂々と店に立てばよい。……まあ、わらわには何の関係もない話じゃがな。あの店の紅茶は苦いから、最近は行ってはおらんし。
ルルルさま、苦いのは紅茶じゃなくて一緒に出てくる野菜クッキーだニャ🐾😾
な、なんのことじゃ! わらわは苦いものなど何一つ恐れておらんわ! 余計な口を挟むでない、ニャモ!
はいはい、そういうことにしておくニャ。洋服屋さん、勇気を出して店を開けてみるといいニャ🐾
うむ。新しい角が生え揃った時には、きっと前より立派な店主になっているはずじゃ。今宵はここまでじゃ。次も良き暇つぶしを送ってくるがよいぞ。
またニャ〜🐾