時計台の鐘の回数
おいニャモ、先刻鳴った広場の鐘の音を聞いておったか。正午の鐘のくせに、十三回も鳴り響いておったぞ。時計守の怠慢に違いないのじゃ。
十二回だったニャ🐾 ちゃんと耳を立てて数えてたから間違いないニャ。
たわけたことを言うでない。わらわの耳が聞き逃すはずがなかろう。余計な一撃が最後に確かに響いておったわ。十三回じゃ。
最後の余韻をもう一回分に数えちゃってるニャ😼 十二回でぴったり止まったニャ。
余韻などと小癪な言い訳をするな。あれは明らかに独立した打音であった。わらわの魔力に満ちた耳を侮るでないぞ。
オレの耳の方が音の輪郭を正確に捉えられるニャ。ただの反響を鐘の音と勘違いしたんだニャ。
ふん、人間界の薄っぺらい空気で反響したくらいで、わらわが惑わされると思うてか。打鐘の間隔も最後だけわずかに乱れておったのじゃ。
間隔は最初から最後まで等間隔だったニャ🐾 オレは足でリズム取ってたから正確ニャ。
足で拍子を取るなどという原始的な測り方で正確を気取るでない。風の吹き込み方で最後の鐘だけ二重に聞こえた可能性はあるが、打った回数そのものは十三回じゃ。
風のせいにし始めたニャ😾 打った回数が十二回だから、どう聞いても十二回にしかならないニャ。
事実を述べておるだけじゃ。そもそもあの時計台は先月も機械の油が切れて狂っておったではないか。十三回鳴っても何ら不思議はないのじゃ。
先週、燈が時計守と一緒に歯車を全部点検して直したのを見たニャ。狂うわけがないニャ。
直した直後にまた狂うのが機械というものじゃ。人間が触るものなど脆くて頼りにならぬ。十三回鳴ったという現実を直視せよ。
機械じゃなくてルルルの耳が狂ってるんだニャ。十二回しか鳴ってないものは十二回ニャ🐾
無礼な毛玉め。わらわの聴覚は魔界の深淵の微かな羽音すら聞き分けるのじゃぞ。十三回の鐘の振動をこの身で確かに受け止めたわ。
そんな大げさな話にしても十二回は十二回ニャ。鳥たちも十二回鳴り終わったところで一斉に飛び立ったニャ。
鳥どもなど当てになるか。あやつらは十三回目の途中で慌てて羽ばたいたのじゃ。あの飛び立ちの鈍さが何よりの証拠じゃな。
飛び立ち方はいつも通り軽やかだったニャ😼 鈍かったのはルルルの数え間違いの確認作業ニャ。
屁理屈ばかり並べおって。誰がどう聞いても十三回打たれたものを、頑なに否定するなど頑固にも程があるぞ。
頑固なのはルルルの方ニャ。十二回を十三回に増やせる魔法なんてないニャ。
魔法の話などしておらぬ。ただ現実に十三回鳴ったと教えてやっておるのじゃ。
オレの世界では十二回だったニャ🐾 これ以上話しても数字は減らないニャ。
わらわの世界では十三回じゃ。増えもしなければ減りもせぬわ。
まあいいニャ。明日の昼にまた数えれば済む話だニャ。
ふん、そういうことにしておくがよい。明日になればそなたの耳の節穴ぶりを思い知らせてやるのじゃ。
オレはまた十二回数えるだけだニャ😼