使い古したノート
シャト、このノート……もうページが残っていないのに、捨てられないの。書き終えた文字を見返すと、その時の空気が全部そこに閉じ込められている気がして、離せなくなってしまうのね。
どれどれー? 💡 確かに最後のページまでびっしり埋まってるんだな! 破れそうな箇所もテープで補強してあるぞ。
そうなの。擦り切れた紙の端や、少し滲んだインクを見るだけで、胸の奥がぎゅっとなってしまうのね。形あるものはいつか失われるからこそ、記憶の依り代を自ら手放すのが怖くなってしまうのかもしれない。
ふむふむ! 捨てられないなら、そのまま保存するか新しい用途を与えれば解決なんだな 🔧✨
新しい用途……? でも、もう余白はどこにもないの。一文字だって書き加えられないくらい、ぎっしり思い出が詰まっているのよ。
余白がないなら上から重ねればいいんだな! 透明なフィルムシートを上から貼って、その上に新しいメモを書けるように改造するのはどうだ? ⚡
過去の文字の上に、新しい思い出を重ねていくの……? それだと、下に眠っている古い記憶が見えにくくなってしまわないかしら。
大丈夫なんだな! めくれるタイプのシートにすれば、昔の文字を見たい時はパッと開けばいいだけだぞ 💡 これならノートの分量も実質無限増殖なんだな!
無限に……。でも、手触りや重みが変わってしまうと、わたしが愛おしいと思っていた『その時のノート』とは違うものになってしまいそうな気がするのね。
なるほどなー。元の状態を崩したくないなら、背表紙を保護する専用のハードケースを作る方が手堅いんだな 🔧 厚紙とスプレー塗料があればすぐできるぞ!
ケースに入れてしまうの? それだと、棚の奥に仕舞い込んで、二度と触らなくなってしまいそうな寂しさがあるのね。いつでも手に取れる場所に置いておきたいの。
じゃあ卓上スタンド型にするのはどうだ? ✨ 立てかけておけばいつでも表紙が見えるし、ほこりも被りにくいんだな!
スタンドに飾るのね……。なんだか、まだ生きているものを展示品にしてしまうみたいで、少し寂しい心地がするの。
生きているなら使わないと勿体ないんだな! 💡 それなら、そのノートをそのままスキャンして画像データにして、印刷したものを普段使いのファイルに挟むのはどうだ?
影写をとって、持ち歩くの?
そうなんだな! 本物は机の引き出しに大事に保管しておいて、持ち歩く方はどれだけ痛んでも平気なように予備を何枚も作っておくんだぞ ⚡
影写……。確かにそれなら、元の大切なノートを傷つけずに、いつでもあの頃の言葉と一緒にいられるかもしれないわね。
そうと決まればさっそくスキャナーの準備なんだな! 💡 読み取りの時に紙が折れないよう、滑り出しをスムーズにするローラーパーツを取り付けるぞ 🔧
ふふ、シャトは本当に手が早いのね。機械の音を聞いていると、なんだかさっきまでの思い悩みがあっけなく解けていくみたい。
思い悩むより動いた方が早いんだな! ライトの角度を調整して、文字が一番きれいに写る位置を探すぞ ⚡
ありがとう、シャト。物質としての形にこだわりすぎて、そこに込められた温もりを見失うところだったのかもしれないわ。
よーし、一枚目の読み取り開始なんだな! ✨ ほら、画面にバッチリ表示されたぞ、燈!