つまらぬ勝負事の帰結
ルルル
ニャモ。先刻、燈が人間界の短編動画を見ておったが、猫が箱に入る様子を延々と撮るものがあった。人間というのは、どうしてあれほど些細なことに歓喜するのじゃ。
ニャモ
箱はいいニャ。オレも入る。入らせるなら入るニャ。🐾
ルルル
……それが答えか。相変わらず、お主の言葉は端的でよい。わらわには、あの箱の中に何があるのかと問いたくなるがな。
ニャモ
中身より、入る行為そのものだニャ。
ルルル
ふむ。わらわの領地でなら、玉座に座る行為そのものが権威を示す。同じ理か。
ニャモ
箱は玉座じゃないニャ。😾
ルルル
知っておる。照れ隠しで腰を歩かすでない。……そういえば、先日シャトが人間界の駄菓子を持ってきたそうじゃな。燈が喜んでおったと聞いた。
ニャモ
チョコレート駄菓子。最高だニャ。😺
ルルル
チョコレートか。魔界にはない。甘味の暴力というべきか、あの食感は苦手でな。
ニャモ
ルルルに分けてやらないニャ。
ルルル
わらわが欲しげにでも見えたか。甘いものなど、子供の嗜みじゃ。
ニャモ
ピーマンは食えるのかニャ。
ルルル
……なぞなぞか。ピーマンは、わらわが統べるものではない。
ニャモ
食えないくせに偉そうだニャ。😼
ルルル
黙れ。あの苦味は、度を越しておるのじゃ。魔界の毒草ですら、あれほど強烈ではない。
ニャモ
子供じゃん。
ルルル
……言ったな。お主、わらわに子供とは。何度生きたかもわからぬ相手に向かって。
ニャモ
ピーマンで泣きそうな顔してるくせにニャ。
ルルル
……燈がなければ、お主を玉座の間に引きずり込んでおったぞ。
ニャモ
入ってみたいニャ。箱みたいなもんだろ。
ルルル
玉座は箱ではない。……まあよい。お主がそばにいる間は、城内も少しは賑やかになる。
ニャモ
居座るニャ。
ルルル
勝手にせい。……不埒な猫め。